島人の不問語

アニメと酒と歴史を嗜む島人の雑記録

ビール語り[クラフトビールとの出会い&ブルワリー訪問記ーREPUBREWー]

こんにちは。Ken-kenです。

初記事で申し上げた通り、今回はビールのお話です。

第一弾は、他のブルワリーよりも多く、いまでも通い続けているREPUBREWのビールの感想などを、クラフトビールとの出会いを交えてまったり語ろうかと思います。

 

 

 

クラフトビールとの出会い

私がクラフトビールと出会ったのは、2017年12月24日の、沼津は松浦酒店さんでの角打ちでベアードビールを二杯呑んだ時です。当時の私はこのようにつぶやいております。

 

 

このツイートの日付で思い出したんですが、その日はラブライブ!サンシャイン!!に関連した、沼津市のあげつち商店街主催のクリスマスパーティー当日だったんですね。あれからもうすぐ一年経つと思うと、時の流れは恐ろしいです…

 

本題に戻ると、それまで私は日本酒をメインに呑んでいまして、ビールはアサヒとか、沖縄出身なのでオリオンとかを呑む程度でした。

 

そんな私が、ベアードビールの「沼津ラガー」と、「スルガベイインペリアルIPA」を続けて呑んだとき、驚かされました。あまりのおいしさに、ではなく、味の違いに、です。

正直後者は、IPA初心者の私にとってはあまりにも苦すぎて、正直後半は無理矢理呑んでいた記憶です。

 

補足しておくと、IPA(India Pale Ale)とはイギリス系のエールビールで、インドなどへ向かう航海の途中でビールが腐らないよう、ホップを大量に使用して防腐効果を高めていたことがルーツになっています。ホップは苦みのもとですから、当然それは増し、刺激的なビールが誕生するわけです。その分、ホップのアロマも強くなり、薫り高いスタイルとも言えますね。今となっては1番好きなスタイルのひとつです。ホップの種類によって、アロマが劇的に変化するので、香りを嗅ぐのが楽しみでしかたがありません。

 

補足が長くなりましたが、当時の私は少なくとも「味の違い」に心打たれたので、今のいろんなビールを吞んでいくスタイルが定着したのでしょう。基本、私は「これが美味い」とか「これが良い」というものを見つけると、それ以外には目もくれないタイプでしたが、最近になって、とりあえず気になるものを色々と頼むようになってきました。クラフトビールは、私の性格も変えてくれたのか、それとも何か別の要因なのか。確実に言えることは、ビールの違いを感じることが、最高に楽しいということですね。

 

もちろん、美味い、それほどでもない、好み、嫌いの区別はつけます。あまりフルーツフルーツしたビールは好きじゃないですね。どことは言いませんが、以前メロンエールと称するものを見つけ、興味本位で呑んでみると、まるでメロンソーダにアルコールを入れただけのような味わい。ホップやモルトの味わいがややあったり、オレンジとかだと白い部分の苦みが立ってるくらいが丁度良いのです。あとボディが重すぎて雑味やアルコール感がでまくっているものも好きではないですね。フレッシュでジューシー、薫り高いビールが好きです。REPUBREWのビールは、まさしくそのようなビールが多いので、REPUBREWに初めておじゃましたエピソードも交えつつ、振り返りたいと思います。

 

 

 

About REPUBREW.

まずはじめに。REPUBREWとはどのようなブルワリーなのか。

 

REPUBREWは、静岡県沼津市沼津駅南口を出て、左側のローソン前のスクランブル交差点をモスバーガー側に渡り、モスバーガーを右にして直進した先のビルの地下に所在します。階段を下りた先にある店内は、モダンかつウッドテイストな、どこかぬくもりを感じる作りになっています。カウンター、テーブル席ともに席数は十分で、バーというよりも、レストランのような広さかもしれません。

 

2017年4月1日にお店自体はオープンし、醸造免許取得まではゲストビールや他のブルワリーに依頼したビールを提供していたそうです。オリジナルビールの提供は、11月1日からはじまり、定番の常設ビールを置くことなく、現在に至るまでおよそ50種のビールを私たちに提供してくれています。

 

『THE JAPAN BEER TIMES』というクラフトビール専門のフリーマガジンがありますが、2018年夏号でREPUBREWの記事が載っていまして、同じ内容をWebでも読むことができます。その中で、REPUBREWが定番を置かない理由が、以下のように明らかになっています。

 

RePuBrewでは、最初の1年間、畑の意向でスタンダードビールを置かないことにしている。醸造を開始してから1年間は多様なスタイルのビールをつくり、様々な材料やレシピで色々試してみたいと考えていた。そして出来上がったビールの仕上がりや反応を記録し、客からもっとも支持を集めたビールに、さらに手を加えて常設ビールとして提供する見通しだ。

 

定番の常設ビールは、ある意味ブルワリーの顔ともいえます。しかし、REPUBREWは現在もそれを置かずに、タップが空になると新しいビールをつなぎ、を繰り返しています。私個人としては、その「一期一会」のスタイルがとても楽しくて仕方がありません。公式HPの存在を知ってからは、ときどき新しいビールが作られていないかチェックし、どのビールを呑むかを決めて行くようになりましたが、それをしていない時分は、今日はどんな新しいビールがあるのかというワクワク感を携えて、レストランの自動ドアをくぐっていました。オーナーの畑翔麻さんの経歴などは、前述の『THE JAPAN BEER TIMES』(Web版はこちら)で知ることが出来ますので、割愛します。

 

また、REPUBREWはビールとフードのペアリングも重視しています。名物のラムチョップをはじめとして、軽くつまめるものからがっつりお腹を満たすものまで、ビールに合う幅広いフードメニューを揃えています。タップメニューには、それぞれのビールに合う料理が併記されていて、それを頼りにビールや料理を選ぶお客さんも少なくないでしょう。

ちなみに、というか、このような紹介をしていて心苦しいのですけど、私はお金の節約もあって、どこのビアバーにいってもフライドポテトで済ませています。

ごめんなさい、REPUBREW…。

 

さて、いよいよ、これまで呑んできたREPUBREWのビールの中でも特に印象に残っているものを、余談も交えて紹介していくことにします。オーソドックスなものから、想像もつかなかった副原料を使ったビールまで。いろとりどりなビールたちでございます。

 

 

 

Beers of REPUBREW.

※ビール紹介に付属するURLは、REPUBREW公式HPに掲載されている、ビールの紹介ページになります。併せてご覧ください。

2018年春

 私が初めてREPUBREWにおじゃましたのは、2018年4月1日でした。その前に、Twitterのフォロワーさんが行っていたのを見て、「絶対に行く!」と意気込み、沼津行きの電車に乗り込みました。
 
いきなり話が逸れますが、4月1日というと、エイプリルフールですよね。私が沼津に通うきっかけになったのはラブライブ!サンシャイン!!の聖地であることなんですけど、そこの公式はいろんなところでエイプリルフールネタを仕込んでいたんですよね。
 
今年も例に漏れることなく、YouTubeで「ハイパーファビュラスアルティメットジャンボ寝そべりEX」というバカでかい寝そべりぬいぐるみの宣伝を流したんですけど、まあエイプリルフールネタか…とそこそこ面白がって放置。電車に乗ったときの私は、その後訪れる衝撃のことなど知る由もなかったわけです。
 
…結論から云うとネタじゃなかったんですよね。
 
 
まあこの企画自体がネタなんですけど、YouTubeで宣伝していたことはネタではなくなりました。やられました。
 
またまた長い間話を逸らせて申し訳ありません。何分半年以上前のことを振り返るブログにもなるわけで、いろいろな思い出が蘇るのです。
 
沼津市街に戻った私は、REPUBREWへ向かいました。手元の地図を確かめつつ歩き、正しい場所かを確認すると、少し緊張しながら中に入りました。いまでは顔を覚えてくださっているスタッフさんも、当時は初対面。REPUBREWのことを何も知らない私は、定番がないことも知らず、「おススメや定番はありますか?」などと聞いてしまったわけです。定番がない旨の説明を受け、一番新しいもの、ということで提案されたのが以下の「エイプリル(セッションIPA)」でした。

 

私が訪れたこの日は、ちょうどREPUBREWがオープンしてから一周年。そのために作られたビールでした。当時の私は、セッションIPAというスタイルは初めてだったため、その軽さに驚きました。それでも、シトラス系の香りが華やぐ、自分好みのビールだったことを、鮮明に覚えています。

と、同時に。10種類弱のオリジナルビール。しかもなくなれば同じレシピは来ない。

「どんなビールに出会えるだろう」

「あの黒板にある他のビールはどんな味だろう。」

という好奇心と興奮が湧いてきました。しかし、その後は私は松浦酒店さんの角打ちへ、REPUBREWも一周年記念のイベントのため、その日は一杯で腰を上げました。

 

次にREPUBREWのドアをくぐったのは、一週間後。4月8日のことです。

その日はREPUBREWで呑むために予定を開けていたので、堂々とカウンターに座りました。そして最初に頼んだのが「菌(金)の延べ棒」です。

 

http://repubrew.com/kinnonobebou.html

 

ツイートだけではわかりにくいですが、当時の私はこの上ないくらいの感動を覚えました。「こんなビールがあったとは…」と。そして手前味噌ではありますが、当時の私はよい塩梅の表現をしたものです。「包容力」ということばは、このビールの特徴、バランスを表現するのにも、より適したことばであろうかと思います。スタイルはゴールデンエール。ナッツ、ビスケットのようなアロマ。舌触り、のど越しはなめらかで、感じるのはモルトの甘みと香ばしさ。そして後にやわらかな、でもしっかりとした苦みが顔を出す…

今でも、叶うならばもう一度呑みたいビールで、REPUBREWで呑むたびにこのビールを思い出してしまうほどです。

 

実は、直近でREPUBREWさんを訪れた11月4日に、そのリメイク版を呑んできました。ほんとはその日に沼津に行く予定はなかったんですけど、「延べ棒」のリメイクができたと聞いて、急遽沼津へ向かいました。リメイク版はその名も「金蛇」です。

 

http://repubrew.com/kinhebi.html

 

「延べ棒」よりもシンプルに、かつライトになりました。本音を言わせてもらうと、自分の中では「延べ棒」の更新とは行きませんでした。しかし、「延べ棒」のもつ香ばしさの一端を感じられたので、来た意味はあったといえます。

 

4月8日に味わったビールは他にもありますが、「延べ棒」以外だと最後に呑んだポーター(黒ビール)が印象的でした。名称は「チョコっとナッツバニラポーター」です。

 

http://repubrew.com/chocolateporter.html

 

 当時の私は、アロマ(外から感じられる香り)とフレーバー(ビールを吞んだときに口から鼻へ抜ける香り)の使い分けができていませんでしたね。お恥ずかしい…正しくはチョコバニラのようなアロマ、フレーバーはコーヒーやチョコ、モルト由来のナッツのような香ばしさ、と言えば良いかと思います。これを呑む以前に、1度だけチョコ、カカオを使った黒ビールを呑んだことがありまして、それはアロマもフレーバーも強くはありませんでした。そのときは「こんなものなのかな…」と少々がっかりもしました。ですが、このポーターは香りがとても強い。しかも様々な香りが入り交じっていて、呑み応えのある1杯でした。

 

 

 

2018年夏 

夏は学業がひと段落する季節であり(自己紹介で述べていたかったのですが、私は学生身分であります。)、まさに遠方へ通うにはちょうど良い時期です。なので、青春18きっぷ期間に、私はREPUBREWへ毎週日曜日、計4回通いました。春に黒板に書かれていたビールはすべて消滅し、すべてが初めましてのビール。4回の訪問の中で入れ替わりもありつつ、一応すべてを味わいましたが、 特に印象的だったふたつを紹介したいと思います。

 

ひとつめは、8月12日に訪問した時に初めて呑みました。「野菜ジュースGOSE」です。

 

http://repubrew.com/retweet2.html

 

タイトルからもう驚きというか、「野菜ジュースまでビールにしてしまうのか」と笑ってしまいました。色まで野菜ジュース。香りもパプリカとかトマトとかニンジンとか、野菜ジュースの青臭さが際立っていました。いざ呑んでみると、野菜ジュースの酸味と甘みがありつつ、ちょっとしたクセ、というか。ただ野菜ジュースの味がするわけではなく、それ以外の麦とかホップとかが奥底で主張しているような気がしました。サワー系で、塩を使ったゴーゼというスタイルなので、モルトだとかホップだとかの強い味わいは念頭にありませんでしたが、純粋においしかったです。

 

これを呑んだのは開栓まもない時だったため、翌週お邪魔した時にスタッフさんが

「12日のやつは下の方の濃いやつが出てたんで、初回限定版です(笑)。」

とおっしゃっておりました。いざ二回目を呑んでみると、たしかに味がクリアになって、ただでさえ呑みやすかったのに、もっとグビグビいってしまうビールに変身していました。以降、REPUBREWに行く度に注文するビールになっていますが、11月11日現在、まだなくなっていないようです。読者のみなさんで呑みたいと思った方。もしかすると間に合うかもしれません。詳しくはREPUBREWにお問い合わせを。

 

ふたつめは、REPUBREWのIPAの中で現在一番印象的だった「SUMMER MADNESS TROPIC IPA」です。

 

http://repubrew.com/summermadness.html

 

副原料にマンゴーを用いたトロピカルなIPAでした。ホップの種類によっては、マンゴーやパッションフルーツのようなアロマは出ますが、このビールはフルーツそのものを投入しているので、アロマも一段とフレッシュ且つ強力でした。口に含んでも、甘い香りは途絶えることなく鼻腔を通り抜けます。そしてフルーツのフレッシュな甘みがダイレクトに伝わり、苦みと対立することはないものの、独立を保ちつつ補完しあう関係になっていた印象があります。

 マンゴーやパッションフルーツの香りは、沖縄育ちの私にとっても懐かしみのあるものです。単純においしいとか、呑みやすいとか、流行りとか。それだけでは語れない故郷のイメージを、南国系のアロマからは感じられるのです。シトラス系も香りが丸くなればトロピカルに近くなります。故に、それらを強く感じられるIPAが好きなスタイルなんですよね。その意味でも、このビールはとてもおいしかったですし、呑んでいて様々な感情が生まれるビールでした。

 

2018年秋

11月4日に呑んだビールを紹介します。前述のうちに「金蛇」は紹介したので、ここでは新たに2種類のビールを紹介します。

 

ひとつめは、何と栗をつかったIPA。「ミルクシェイクIPAIPAというスタイルに栗を加えているシーズナルビールです。二酸化炭素ではなく窒素ガスを用いた泡により舌で感じる刺激が弱くきめ細やかで、ビール自体の味をより感じやすくなっています。「マロンミルクシェイクナイトロIPA」です。

 

http://repubrew.com/retweet3.html

 

このビールは、色が白く濁っており、ホワイトエールやヴァイツェンとも違う色合いを見せます。口に含むと栗とバニラの濃厚で芳醇な甘みがやってきて、それと入れ替わるようにホップの強い苦みが押し寄せます。IPAの余韻は苦みを想像しますが、このビールはクリーミーな甘みがやってきます。甘い→苦い→甘いの三重構造と言えますね。

 

さきほど、私はフルーツ過ぎるビールは好きではないと書きました。このビールは、まさしく栗やバニラの主張が全面にやってきます。しかし、その後にはホップの確かな苦みが感じられ、ビールの重要な要素だと思っている苦みや香ばしさは失われていませんでした。

フルーツビールは加減が難しかったり、香りが乗らないなど、苦労する部分も多いと聞きます。そこをビールらしさを失わずに、フルーツなどの副原料の個性もきちんと出してくるブルワリーは、称賛のみならず尊敬の念を覚えます。だからこそ、一般的にみると高いと思われるような値段でも、おいしく呑めるわけです。

 

 ふたつめ、そして本記事でとりあげる最後のビールになります。

11月1日、REPUBREWは醸造一周年を迎えました。それを記念して作られたビールが、初タップの「ZERO」のタイトルに続く「ONE」です。

 

http://repubrew.com/one.html

 

モルトの色がはっきりと出た、レッドIPAです。REPUBREWはレッドIPAをこれまでに2種類ほど作っていますが、このビールはとても呑みやすい。HPを見てその理由がはっきりしたのですが、苦みを強く出すホップを使用していないそうです。甘くジューシーな香り。ホップ量は確かに多いはずなのに、香りに反する形で苦みは強くない。こんなIPAの形もあるのかと思いました。

 

改めて、醸造一周年、おめでとうございます!!!!

 

 

 

おわりに

 本記事では、私自身のクラフトビールとの出会いを語り、REPUBREWというブルワリーの魅力とビールの感想を伝えてきました。今回は特に印象に残っているものを抜粋して紹介したにすぎず、REPUBREWのビールはまだまだいろんな種類が存在します。今となっては呑めないものが多いですが、定番として復活したり、リメイクなどでその面影を感じられたりすればいいなと思うほど、いつかまた呑みたいビールばかりです。

 

また冬におじゃまするので、それまでにどんなビールが追加されているのか、楽しみでなりません。一方で、すでに2種類新しいものがでていて、頼むからなくならないでくれと願う毎日です。

 

その日に呑むお酒が、素晴らしき出会いと再会でありますように。

 

またいつか。

 

11月20日、空腹と肌寒さを感じつつ―――Ken-ken

 

[11/22追記]

本記事で取り上げたREPUBREWの公式HPトップ及びアクセスページへのリンクを掲載しました。

 

ホームページ

repubrew.com

 

アクセス

repubrew.com